猫ブログ - カテゴリ1
ぶんの近況と幸田文「どうぶつ帖」のこと。
ロフトの袋があって、取りあえず入って、カサカサとひとしきり調べて落ち着く。
どんな猫でも間違いなく「してみる」ことの一つ。
こんな些細な行動にも「よしよし」と満足な人間と
袋の猫の頭の中はどっちもどっちで互角なのです。
我が家の猫、文は遊び盛り・・・。お店デビューにはほど遠く、もっぱら留守番猫となり、
さぞ寂しかろうと案じて甘やかす人間へ、お八つねだりが上手くなる。
さて、本棚から引っ張り出したのは、幸田文著、青木玉編、「どうぶつ帖」。
第1章犬好き、第2章猫好き、第3章どうぶつ好きの3章からなる随筆で日常生活の中で接したどうぶつたちへの思いが綴られている。
父である幸田露伴の姿も動物を巡る様々な事象から垣間見られて興味深い。
貫かれているのは、動物への愛情。辛い現実も描かれているが、
動物の生命そのものを見つめる筆者の深い愛情が伝わる作品だと思う。
巻末に愛猫「阪急」を抱く筆者の写真が掲載されている。
着物をお召しの著者に抱かれた大きな猫はこの時すでに自力では歩けなくなっていて、その後、著者の膝の上で旅立ったという。
玄関先に捨てられていた子猫に当日サイン会が催された阪急デパートから名付けられた猫は
氏の最後の飼い猫と記されている。
氏自身も何かの著で、父である露伴が晩年飼っていた犬を最後の犬と記していたこともあり、
露伴にもその自覚があったことを窺わせる件があったように思う。
最後に関わる動物と位置付けることは、何か悲しいことのように思われもするが、
限りある生命が他の生命と関わる際の覚悟なのだと思う。
文(bun)との関わりも斯くありたいと思う。